将棋のお供カード Shogi Companion card

 このカードセット(24枚)は、将棋と一緒に使い、カードに書かれた指示によってルールや駒の機能を変えることで、将棋を本来とは違うゲームに変貌させて楽しむものです。このセットには、将棋の盤や駒は含まれていませんので、別途用意する必要があります。なお、このゲームをやり過ぎると、逆に将棋が下手になる恐れがありますのでご注意ください。

★ カードの使い方(総括)

 カードを使うときは、自分の手番で駒の着手をする前に1枚だけ表示して使います 。そのカードを使用した直後に可能な着手がひとつも無いのならそのカードは使用できません。 2枚のカードを1回の着手で同時または連続的に使うことはできません。使用済のカードを一局のなかで再度使うことはできません。 使用済のカードは表向きにまとめておくと良いでしょう。将棋の勝負が決まった時点で未使用のカードが残っていても問題ありません。 カードの使用未使用の情報は盤上や駒台の駒と同様に公開情報になります。もし相手がカードの確認を求めてきた場合はカードを見せなければいけません。 それぞれのカードの機能は各論で説明します。



 
将棋のお供カード 女装王(Q)

女装王(Q) 王が女王の動きをする

 このカードは、「王」を《女王》に変えます。自駒の「王」は、チェスの駒であれば《女王(Queen)》、中世の将棋駒であれば《奔王》、と同じ動きに変化します。 将棋では「飛」と「角」を併せ持った動きです。「王」を動かして、効果は終了します。効果中の駒は《女王》と呼びます。

 
将棋のお供カード 転送飛(T)

転送飛(T) 飛と自駒の位置を交換する

 このカードは、「飛」と他の駒の位置を入れ替えます。盤上の自駒の「飛」の一つXとそれ以外の盤上の自駒のどれか一つYを選びます。 そして、その二つの駒XとYを一手で入れ替え、効果は終了します。成駒の「竜」は「飛」ではないのでXには該当しません。 XもYも移動で駒が成る条件を満たした場合には成ることができます。


将棋のお供カード 反射角(R)

反射角(R) 角が四辺で反射する

 このカードは、「角」の移動時に将棋盤の四辺を反射板として利用します。盤上の自駒の「角」を一つ選びます。 その「角」を盤の四辺で反射して進めて一手とし、効果は終了します。反射ができる回数は1回にとどまりません。 移動前と移動後の位置で駒が成る条件を満たした場合は成ることができます。成駒の「馬」は「角」の代わりにはなりません。 なお、この効果発動によって「角」の射線に敵の「王」が入るときは、このカードは使用できません。反射の例を示します。 2三にある角は、障碍物がなければ、3二、4一、5二、6三、7四、8五、9六、8七、と進むことができます。 なお、「角」が盤の端で反射できるという特殊ルールは、かなり昔から存在していたようです。



 
将棋のお供カード 出世金(G)

出世金(G) 金が成って王の代理をする

 このカードは、「金」の成駒を「王」の代理にさせます。盤上の自駒の「金」を一つ選びます。 他の駒が成るのと同様に、その「金」を一手の移動で成らせます。裏返しになった「金」は《太子》と呼び、略称は「太」です。 「太」は「王」と同じ動きで同じ役割です。普通の将棋では「王」が詰む(捕獲される)と負けですが、「太」は「王」の代理となり、 「王」が捕獲されても「太」が詰むまでは負けません。「王」の存在下で「太」を捕獲したときは「金」を捕獲したのと同じになります。 「太」の存在下で「王」を捕獲したときは、ただちに盤上の「太」と「王」を交換し、結果として「金」を捕獲したことになります。 なお《太子》は、中世の将棋駒《酔象》の成駒として存在しました。



 
将棋のお供カード 無敵銀(I)

無敵銀(I) 銀が次の手で捕獲されない

 このカードは、「銀」を一時的に無敵状態にします。持駒または盤上の自駒の「銀」を一つ選びます。 それを打つか動かした後、その直後の相手はその「銀」を捕獲できなくなります。 もしこの「銀」が移動後に成った場合には、もう「銀」ではないので効果が適用されません。 また、「成銀」も対象外です。この無敵効果は一時的なもので、それ以降は普通の状態に戻ります。 なお、一般には一局を通じて銀を取られない特殊ルールが存在し、「取らず銀」などの名前で知られています。 なお《太子》は、中世の将棋駒《酔象》の成駒として存在しました。


 
将棋のお供カード 八方桂(A)

八方桂(A) 桂が八方に動く

 このカードは、「桂」を八方に動けるようにします。盤上の自駒の「桂」を一つ選びます。 その「桂」は、チェスの駒《騎士(Knight)》の動きができるようになります。その「桂」を動かして、効果は終了します。 なお、この効果発動によって「桂」の行動範囲に相手の「王」が入るときは、このカードは使用できません。 桂の成駒には適用されません。

 
将棋のお供カード 弾道香(B)

弾道香(B) 香が駒を飛び越える

 このカードは、「香」を駒を飛び越えて動けるようにします。盤上の自駒の「香」を一つ選びます。 その「香」は、射線上にある駒を一つだけ越えて進むことができます。その駒は敵でも味方でも構いません。 その「香」を動かして、効果は終了します。飛び越えられた駒はその位置に残ります。 なお、この効果発動によって「香」の射線に相手の「王」が入るときは、このカードは使用できません。

 
将棋のお供カード 許二歩(D)

許二歩(D) 二歩を打つ

 このカードは、縦の列に2つめの「歩」を打てるようにします。 持駒の「歩」を一つ打つとき、禁則の二歩(同じ縦の列に味方の「歩」が2つあってはいけない)のルールは無視されます。 この効果は、それら二歩のどちらか一方が成るか捕獲されるまで続きます。 この効果の持続中はこの列には「歩」が一枚しか存在しないとみなされます。 したがって、その列へ更に「歩」を打つことは新たな二歩となるため禁則になります。

 
将棋のお供カード 熟成果(G)

熟成果(G) 成駒を打つ

 このカードは、持駒を最初から成りの状態で打てるようにします。 持駒の「金」以外のものを一つ選んで、それを最初から成りの状態で打ちます。 ただし、それを王手に使うことはできません。着手により、効果は終了します。

 
将棋のお供カード 連続技(S)

連続技(S) 一つの駒を二連続で指す

 このカードは、一つの駒を二手連続で動かせるようにします。盤上の自駒の一つを選びます。その駒を二手連続して動かします。 これで効果は終了します。しかし、その動きのどちらも王手になってはいけません。一手目も二手目も敵駒を捕獲することが可能です。 このように二手動かせる駒が中世の将棋には存在していました。二手目で元の位置に戻ることもできます。これを中世の将棋では《居食い》と言います。

 
将棋のお供カード 撤退令(W)

撤退令(W) 一つの駒を駒台に戻す

 このカードは、盤上の駒を駒台に戻せるようにします。盤上の「王」以外の自駒の一つを選びます。その駒を駒台に戻します。 これで一手になり、効果は終了します。盤の隅で遊んでいる駒を有効活用することもできるでしょう。

 
将棋のお供カード 懐柔策(C)

懐柔策(C) 挟んだ相手の駒を味方にする

このカードは、リバーシ(オセロ)のように、挟まれた敵駒を反転させます。盤上の自駒(又は持駒)の一つを選びます。 その駒を指し(打ち)ます。その結果、縦横斜めで自駒に挟まれた敵駒は向きが反転して自駒に変わります。 反転の規則はリバーシと同じです。使い方によっては大量の敵駒が寝返ることになります。 ただし、効果発動で反転される駒に「王」が含まれるときは、このカードは使えません。 敵駒の「歩」を反転した結果が二歩禁になるときは、成って「と」に変わります。


★ マニュアル
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